学部1・2年生へ
〜研究室を選ぶにあたって〜

当機械工学課程では、3年生の10月頃から卒業研究のための研究室探しを行い、12月には配属される研究室が決まります。多くの学生が短期間の間に学生間の噂のみで研究室を決めており、少し残念な状況です。1年生や2年生の早い段階から機械工学系の教員がどのような研究をどの程度のレベルで行っているのか調べ、それに基づいて自分の判断で研究室を決めることをお勧めします。早い段階で研究室を決めておけば、授業を受ける際にも目的が持てていいのではないかと思います。なんでもそうなんですが、早くから準備することが成功への鍵です。当研究室はいつでも見学可能です。とはいえ、コンピュータシミュレーションを行っている研究室ですので、実験装置はなく、見てもらえるものは学生居室と計算機室にある高性能計算機くらいです。研究室教員に研究の話を尋ねてもらうことはいつでも可能です。研究室に来てもらえれば説明します。可能であれば前もってメール等で空き時間を確認しておいてもらえるといいかと思います。これまでも学部1年生や2年生で研究の話を聞いて、卒業研究で研究室に入ってきた学生はいます。また、希望があれば、しばらくの間、卒研生と同じように研究室の机とPCを使ってもらって、実際のコンピュータシミュレーションを経験してもらうのもいいですね。研究室体験、希望する人は相談してください。

学部3年生へ
〜卒業研究紹介〜

学部3年生へ
〜卒業研究紹介〜

本研究室ではコンピュータシミュレーションによる研究を行っています。研究内容の詳細は研究紹介を参照してください。主には金属材料が加工されて製品になるまでの材料組織の予測を行っています。最近では鋳造・溶接・3Dプリンタなど、凝固を伴う現象の再現と解明に注力した研究を進めています。この場合、固液相変態(凝固・融解)、熱物質輸送、液相流動、固体運動、固体変形などを同時に考える必要があるため、材料力学、機械材料学、流体力学、計算力学などの知識を必要とします。言い方を変えると、材料力学、流体力学、伝熱学などを同時に学べる研究ともいえます。凝固以外にも、固体の熱処理時に生じる粒成長、再結晶なども研究の対象としています。さらに、磁石や電池の組織予測なども行っています。材料組織のコントロールは様々な製品を作成するうえで極めて重要です。また、材料組織予測以外にも、材料組織を有する材料の力学的挙動評価、構造物の最適設計、混相流モデルの構築など幅広い研究を行っています。

シミュレーション手法としては、特にフェーズフィールド法(phase-field method)という数値モデルを用いています。流体のシミュレーションでは、ナビエ– ストークス方程式を直接解く方法以外にも、格子ボルツマン法という方法も用いています。固体の変形のシミュレーションには有限要素法、運動を伴う固体の変形には粒子法などの数値解析法を用いています。さらに、原子スケールの数値シミュレーションにおいては、分子動力学法という方法も使っています。このように、フェーズフィールド法を中心としつつ、様々な数値シミュレーション法を使って研究を行っています。本研究室のもう一つの特徴は高性能計算(high performance computing: HPC)です。スーパーコンピュータやGPU(graphics processing unit)を用い、普通のパソコンでは不可能な規模の計算を行っています。また、データサイエンスを用いた研究も積極的に行っています。高性能計算技術とデータサイエンス技術は今後非常に重要になると考えています。学生のうちにこれらのノウハウを身に付けておくといいと思います。

研究室における卒業研究生活は、学部3年生までの授業のみの生活とは大きく変わります。朝10時には研究室に来て夕方まで研究や勉強をします。授業があれば、必要な筆記用具だけ持って教室に行きます。当研究室では、学生に幅140cmの大きめの机と、デスクトップPC1台、モニタ2台を貸与しています。研究を頑張る学生には、より高性能なPCを使ってもらっています。PCにはwebカメラとマイク(必要であればヘッドセット)も付いており、オンライン授業も自分の机で受けることができます。机の間には高さ160cmのパーティションを置いているので、個人の空間を確保でき、感染症対策もしっかりしています。

当研究室を希望する場合は、前もって研究室教員から研究室の説明を受けてください。卒研配属の直前に行われる研究室説明会に参加してもらっても結構です。当研究室では、しっかり研究を行い、会社では付けることのできない総合的な力を付けてもらうことを目的としています。このため、しっかりした研究指導を行っています。また、当研究室は3×3システムに基づき本学大学院へ進学する学生を希望します。たまに全く説明を聞かず当研究室を希望し配属され、学生も教員も不幸になることがあります。そういう状況は避けたいので、必ず希望を出す前に説明を受けてください。なお、研究室や研究の説明はいつでも対応しますので、遠慮なく研究室に来てください。ただ、教員の都合が悪い時も多いので、前もってメール等で連絡してもらえるといいと思います。

大学院進学を検討している方へ

修士課程(博士前期課程)について

学外からの入学を歓迎します。当研究室は機械物理学専攻に属しています。研究室で行われている研究の説明はいつでも行いますので、研究室教員にコンタクトしてください。来学頂いても結構ですし、オンラインでも対応します。具体的な研究内容については「研究紹介」ページを参照ください。指導教員の研究力は各教員のページを参照ください。

博士課程(博士後期課程)について

当研究室では、博士後期課程への進学を積極的に勧めています。また、学内でも多くの博士課程学生がいる研究室の一つです。これからの不確実で多様な社会においては、個人の力とオリジナリティが益々重要になり、博士の学位に対する考え方も変わってくると思います。ぜひ博士課程へ進学し、自分独自の能力を身につけましょう。修士課程はみんなが進学するから進学する、博士課程は誰も進学しないから進学しないという変な環境が構築されてしまっています。他と同じことをやっていてもダメだと思います。本学は令和4年度から後期課程の学費無償化、マテリアル分野においてはマテリアル人材育成フェローシッププログラムなどの支援を実施している他、当研究室の学生は日本学術振興会特別研究員に多く採用されており、研究環境は大きな大学と比べても恵まれていると思います。なお、博士課程へ進学すると大学や研究所への就職という道が開けますが、普通に企業にも入れます。外資系企業においては博士の学位を必須とするところもあります。企業に入って社会人博士として学位を取得するのは非常に大変です。後期課程への進学についてはいつでも相談にのりますので研究室教員にコンタクトしてください。

企業の方へ
〜共同研究について〜

当研究室では、コンピュータシミュレーションによる材料組織予測や材料特性予測を行っています(研究内容の詳細は研究紹介を参照ください)。手法としては、フェーズフィールド法を中心とし、有限要素法、格子ボルツマン法、分子動力学法、結晶塑性論などを用いています。現象は、凝固、粒成長、再結晶、相変態、塑性変形、薄膜成長、混相流など様々です。GPU計算、並列計算、スパコンを用いた高性能計算も行っています。また、アダプティブメッシュ法など数値解析技術開発も行っています。共同研究の可能性も含め、何かあれば気楽にご相談ください。各種産学連携制度(共同研究、受託研究、受託研究員、寄付金、学術指導)の詳細については、本学の産学公連携推進センターのホームページをご覧ください。

高木知弘 教授     
http://www.cis.kit.ac.jp/~takaki/index-jp.html

坂根慎治 助教     
http://www.cis.kit.ac.jp/~sakane/

研究紹介        
http://www.cmd.kit.ac.jp/research.html

各種産学連携制度   
https://www.liaison.kit.ac.jp/liaison/sangaku/intro/

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Copyright (C) 2015 Computational Materials Design

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